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第30話 恋の傍観者

작가: るるね
last update 게시일: 2026-03-11 19:59:07

 陽菜が戸惑いながら花束を受け取るまでのあいだ、一条は面白そうにその様子を眺めているだけだった。何も説明せず、ただ陽菜の反応を楽しんでいるように。

 ようやく花を抱えた陽菜が、少し自信なさそうに「……ありがとうございます」と口にしたとき、一条は「ぷっ」と吹き出した。まるで満足のいく光景を見たと言わんばかりに、笑いで本心を隠すようだった。

「白椿。凌が一番好きな花だ」

「えっ……」

 たしかに花束の中心には白椿がたっぷりと使われていて、澄んだ香りがふわりと漂っている。その周りには、陽菜には名前の分からない青い花が添えられていて、白一色にならないように美しく彩られていた。

「再会した日に言っただろ。凌の好きなものを教えてやるって。情報をひとつ売ってやったぞ」

「え、あ……そ、そうでしたね。ありがとうございます、一条くん」

 陽菜は花束を少しだけ抱きしめる。頬がほんのりと赤くなっていた。花をもらったからなのか、それとも鷹宮の好きな花を知れたからなのか、自分でもよく分からない。

 一条はそんな、どこかぼんやりした陽菜の様子を見て、またしてもからかってみたい衝動が湧いてくるのを感じた。困らせて
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